左肩が痛くて上がらないとご来院されたIさん
初めて来院されたのは3月の下旬でした。
昨年の秋頃に急に痛み出し我慢されていたのですが、その痛みが引いてきたと思ったらだんだん肩が挙げられなくなってきて、挙げようとすると激痛が走るようになり、夜もその激痛で目が醒めるほどだそうです。
試しに前からと横から左腕を挙げていただくと、どちらも斜め上30度くらいまでしか挙がりません。
そこから上に挙げようとすると激痛が走ります。
背中に回した場合でもベルトまで届くか届かないかの可動域しかありません。
明らかな五十肩の症状です。
五十肩(四十肩)と言うのは俗称で正式症名は「肩関節周囲炎」と言います。
肩の周りに数多くあるインナーマッスルが突然炎症を起こし激痛が走ります。
しばらくすると炎症と激痛は治まってくるのですが、炎症の後の筋肉や関節包が癒着を起こしてしまい可動域を制限するようになります。
なぜそんなことが起こるのかはまだ解明されていませんが、三角筋や僧帽筋などの肩周りにある大きな筋肉に任せて大きな力を出していると、その下にある非力なインナーマッスルに徐々にストレスが溜まり、ある時突然炎症を起こすのではないかと考えられています。
と言っても、スポーツマンや肉体労働を職業にされている方に多いかというと、そういうわけではなく、どちらかというと事務職や普段身体を動かさない方に多い傾向があります。
五十肩の治療は、その癒着した筋肉をほぐしていく必要があるのですが、施術には痛みが伴う上に根気が必要で時間がかかる場合が多いです。
また、肩だけ診てやればいいわけではなく、肩甲骨の動きや脊椎や骨盤など全身のバランスをチェックして整えていく必要があります。
特に、Iさんの場合、モーグル競技をされるスポーツマンですので、ただ日常生活に不便がなくなれば良いと言うわけではなく、高レベルな改善が求められます。
検査の結果は「骨盤に問題あり」と出ました。やはり体全体の歪みにも問題がありそうです。
まずはJN整体法で全身を整えていきながら骨盤矯正を行い、全身のバランスを整えていきます。
その後、左肩を重点的に調整していきます。
当院の施術って「ボキボキグイグイしない痛くない施術」を唄っていてほとんどの施術は痛くないんですが、五十肩の施術に限っては痛いんです。
当然、痛くない無理をしない方法もあるんですが、それではとてつもなく時間がかかってしまいます。
私も痛くて辛い症状を改善したくて来院された患者さんにこれ以上痛い想いをさせたくはないのですが、安くない施術料金をいただくのですから最短で改善していただきたいと考えています。
そのためにはIさんに頑張っていただく必要があります。
これまでに16回施術させていただきました。最後の5回くらいは腰痛の施術でしたが。
左肩は徐々に挙がるようになっていきました。可動域が広がるとともに痛みの出る角度も変わっていきます。
重症の五十肩の場合、施術が進むと痛みの箇所が移っていくことがよくあります。
同時多発的に複数箇所で炎症を起こしているため、最も癒着が激しいところにまずは痛みを感じるのですが、そこが治ってくると次に癒着が激しいところと、どんどん箇所が移動していきます。
一つ一つ根気強く施術していきます。
現状では左腕は真上まで上がるようになりました。痛みもその辺りまで挙げたところで出ますが、スポーツにはほぼ問題ない範囲だと感じられます。
背中に回した場合も右手より上に挙がるようになりました。
今後は、水泳などされてご自分でもリハビリに励まれるようです。
Iさん、あとは腰痛が治れば問題なしですね。途中で痛められた腰も改善方向です。
次の冬が楽しみですね。
Iさんの場合は、かなり症状が重く、且つ徹底的に改善しなければならなかったため、かなり回数が多めになってしまいました。
症状の度合いにより改善までの回数は変わってきますので、一度ご相談ください。
※Iさんから頂いた「患者様の声」はこちらの【5】をご確認下さい。